トランプ米大統領は1日、インドが関税率の引き下げを申し出たと明らかにした。米国は先週、ロシア産原油の購入を理由に対インド関税を50%に引き上げていた。

「インドが関税をゼロにすると申し出たきたが、今さら遅い。彼らは何年も前にそうするべきだった」とトランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。インドがこれをいつ提案したのか、またホワイトハウスがインドとの貿易協議を再開する計画なのかは明らかになっていない。

米国による今回の新たな措置は、従来の25%関税を倍増させるもので、インドからの輸出品の55%余りに影響する。とりわけ繊維製品や宝飾品など労働集約型産業の多くが打撃を受ける。米国はインド最大の輸出先。

一方、電子機器や医薬品などの主要輸出品目は除外され、米アップルによるインド工場への大型投資は今のところ影響を受けていない。

インド外務省は通常の業務時間外のコメント要請に応じなかった。ホワイトハウスにもコメントを求めたが、返答はまだ得られていない。米通商代表部(USTR)からも返答はない。

インドのモディ首相は、中国で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の場で、ロシアのプーチン大統領と抱擁を交わした後、2人で首脳会談の会場へと向かった。会談の冒頭では、両国は「特別な」関係を共有していると宣言し、インドによるロシア産原油の購入を巡り米国から批判を受ける中、両国の関係深化を改めて印象づけた形だ。

原題:Trump Says India Offered to Cut Its Tariffs to ‘Nothing’(抜粋)

--取材協力:Eltaf Najafizada.

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