(ブルームバーグ):ドイツのガス備蓄量が政府の目標水準を予定より2カ月早く達成し、冬季のエネルギー供給不足に対する懸念が和らいでいる。
ドイツのガス貯蔵施設の充填(じゅうてん)率は8月29日時点で70%に達した。これは政府が11月1日までに達成することを目指していた水準だ。年初は備蓄に向けたインセンティブが乏しく貯蔵施設へのガス注入が進まなかったことで、欧州のガス市場には不安が広がっていた。ただ、夏季にガス価格が下落したことにより備蓄が急速に進んだ。
欧州の暖房シーズン開始まであと数週間と迫る中、ドイツのように備蓄の遅れが懸念されていた国々も注入ペースを加速させており、現在では数カ月前の市場関係者の予想よりもはるかに備えが整いつつある。
欧州は2022年にロシアからのパイプライン経由の大規模供給を停止して以来、毎年夏季に燃料備蓄を積み増し、冬季のガス需要に備えている。
ドイツ政府はこれまで、必要不可欠な場合を除き政府による備蓄介入は行わないとの姿勢を示していたが、70%の水準を達成したことにより、欧州連合(EU)が最近改訂した法的な備蓄要件を安全圏で満たす形となった。レーデンのガス貯蔵庫など一部の貯蔵施設は国内法で定められた備蓄目標に達していないものの、経済省の報道官は、他の施設や国内の液化天然ガス(LNG)ターミナルが供給の安全を確保する役割を果たしていると述べた。
原題:German Gas Reserves Reach Key 70% Threshold, Easing Winter Risks(抜粋)
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