(ブルームバーグ):米金融サービス会社バンガード・アドバイザーズが、個人向け金融サービスの勧誘でアドバイザーの金銭的利害を十分に開示していなかったと米証券取引委員会(SEC)が認定した。
SECは8月29日、バンガードが不正を認めることも否定することもせず、今回の事案決着のために1950万ドル(約28億6500万円)の支払いに応じたと明らかにした。
SECの発表によれば、バンガードは2020年8月から23年12月にかけ、有料サービスへの顧客の勧誘・引き留めを金融アドバイザーに促すインセンティブとして、年末の業績目標およびボーナスと顧客つなぎ留めの状況を連動させた。アドバイザーの報酬体系は十分に開示されず、一部の情報開示には矛盾する内容が含まれていた。
同社はウェブサイトで、アドバイザーが歩合制でなく給与制であり、「外部のインセンティブも存在せず、常に顧客の利益を最優先する」としていたが、これらの説明がウェブサイトから23年に削除されたとSECは指摘した。
バンガードは「日々の投資家や退職後の資金に備える人々の支援に力を注いでいる。この件を過去のものにする合意が成立したことは喜ばしい」と29日の発表資料でコメントした。
SECの別の発表によると、エンパワー・アドバイザリーとエンパワー・ファイナンシャル・サービシズも有料の投資一任サービスへの勧誘を促すため、ボーナスと昇給をアドバイザーのインセンティブとして用いていたが、適切な開示を怠っていたという。
エンパワーの広報担当者は「SECが特定した全ての問題は完全に是正された」と説明した。
原題:Vanguard Settles SEC Claims Over Adviser Conflicts of Interest(抜粋)
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