(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は8月29日、ストレステスト(健全性審査)の一環で、大手銀行に対する新たな自己資本要件を発表した。新たな要件は銀行側の予想とおおむね一致したものの、米銀モルガン・スタンレーは要件の引き下げを求めているという。
FRBは声明で、「モルガン・スタンレーがストレス資本バッファー(SCB)要件の引き下げを再検討するよう求めている」と指摘。「FRBはこの要請を審査しており、9月30日までに決定を下し、公表する予定だ」と明らかにした。
これにより、今年のストレステストの手続きが正式に終了。新たな資本要件は10月1日から適用される。
モルガン・スタンレーは発表資料で、10月1日までに「最終的なSCB要件を確定させるため、FRBと積極的な協議を続けている」と説明した。
FRBはモルガン・スタンレーが求める具体的な削減幅を明らかにしていない。同行は7月、ストレステストの結果に基づき、普通株等ティア1(CET1)比率について現在の13.5%から12.6%に引き下げられるとの見通しを示していた。
FRBによる今年のストレステストはモルガン・スタンレーを含む計22行が対象。いずれも5500億ドル(約80兆9700億円)余りの損失に耐えられると判断され、問題なく通過していた。
この日発表された資本要件には、各行共通のCET1最低基準の4.5%のほか、銀行ごとに異なるSCBが含まれる。また、グローバルなシステム上重要な銀行(GSIB)には追加の資本サーチャージが課される。
原題:Morgan Stanley Asks Fed to Lower Bank’s Capital Requirement (1)(抜粋)
--取材協力:Peter Eichenbaum.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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