(ブルームバーグ):米企業による自社株買いが過去最速ペースで続く予定だ。景気信頼感を反映した格好で、人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを占める米エヌビディアも新たに加わった。
ビリニー・アソシエーツの集計データによれば、発表済み自社株買いの総額は8月20日時点で1兆ドル(約147兆円)を突破した。昨年は10月に過去最速で達成し、今年はペースがさらに速まった。
金融とテクノロジーを中心とする大企業が、過去数カ月の間に相次いで大規模な自社株買いプログラムを承認。エヌビディアも27日の決算発表で自社株買いを600億ドル相当増額すると発表した。
今年5月にはアップルが自社株買いの1000億ドル増額を公表。アルファベットとJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グループ、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)も400億ドル以上の自社株買い計画を明らかにした。
ビリニー・アソシエーツのジェフリー・エール・ルービン氏は「企業それ自体が市場で究極の押し目買いに動く流れが続くだろう。企業利益は好調で、設備投資に充てる資金も十分にある。投資家や株主に報いる手段として良い方法だ」と指摘した。

先月の発表済み自社株買いの総額は1660億ドルと7月として過去最高を記録した。自社株買いは米株式相場を支える重要な柱であり、S&P500種株価指数は最近数週間で最高値を相次いで更新している。
ルービン氏は勢いが年末まで続くとみており、発表ベースで1兆3000億ドル、実行ベースでも過去最高に達すると予測した。
原題:US Firms Racing Through $1 Trillion Buyback Spree in Record Time(抜粋)
--取材協力:Jess Menton.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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