(ブルームバーグ):米ユタ州は、原子炉建設プロジェクトの候補地検討に向け、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ氏が出資する原子力企業テラパワーと覚書を交わした。同州は電力需要急増への対応を図っている。
ユタ州のコックス知事は25日、テラパワーのクリス・レベック最高経営責任者(CEO)と共にブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「今どれほどの電力が必要とされているのか、ほとんどの人は理解していないと思う」と述べた。同州にはデータセンター拠点が1カ所あり、4ギガワットの電力を必要とするという。
人工知能(AI)を支えるデータセンターや米経済の電化に膨大な電力が必要となっていることが今回の合意の背景にある。原子力は長年敬遠されてきたが、このところ信頼性が高く二酸化炭素を排出しないエネルギー源として支持が広がっており、トランプ米大統領もその1人だ。
ワシントン州ベルビューに本社を構えるテラパワーは、ユタ州エネルギー開発局およびユタ州に拠点を置く不動産開発会社フラッグシップ・カンパニーズと、年内に候補地を推奨するという覚書を交わした。
テラパワーは、水ではなく液体ナトリウムを冷却材に用いる次世代原子炉を開発中だ。2024年6月にワイオミング州の閉鎖予定の石炭火力発電所の近くで実証システムの建設を開始。今年6月には同州プロジェクト向けに6億5000万ドル(約960億円)を調達した。出資者には、米半導体大手エヌビディアのベンチャーキャピタル部門であるエヌベンチャーズも含まれていた。
原題:Gates-Backed TerraPower, Utah to Explore Nuclear Reactor Sites(抜粋)
--取材協力:Will Wade.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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