中国人民銀行(中央銀行)は25日、人民元の対ドル中心レートを1月以来の大きな幅で引き上げた。米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された年次シンポジウムでのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受け、ドルが下落したことが背景だ。

人民銀は中心レートを1ドル=7.1161元と設定し、22日の7.1321元から引き上げ、昨年11月以来の強い水準とした。ただし、ブルームバーグの指数によると、人民元は主要通貨バスケットに対し取引開始直後に下落した。

クレディ・アグリコルCIBの新興国市場担当シニアストラテジスト、エディ・チャン氏(香港在勤)は「人民元は対ドルで上昇したものの、通貨バスケットに対し下げており、全面的な元高を示すものではない」と述べた上で、「ドルが弱含んでいることで足元ではこの水準を維持できるが、7.1500元に達するにはさらなるドル安が必要だ」と指摘した。

25日の本土市場で人民元は0.1%高の7.1574元。一時7.1568元まで上昇し、7月後半以来の高値を記録した。

原題:PBOC Strengthens Yuan Fixing by Most Since January After Powell(抜粋)

--取材協力:Tian Chen.

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