米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は22日、ベトナムが今年、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で人工島の建設を加速させたとする報告書を発表した。新たに8つの岩礁で埋め立てを行ったとしている。

CSISによれば、衛星画像はスプラトリー諸島にあるベトナムの21拠点全てに人工島が造成されたことを示している。4年前には11拠点にトーチカ(防御陣地)が設置されているに過ぎなかったという。

CSISは推定で、ベトナムが今年3月時点でスプラトリー諸島に造成した人工島の面積は中国の約7割に達したとしている。今回新たに埋め立てられた8カ所を加えると、「中国の人工島の規模と並んだか、上回った可能性がある」という。

ベトナムは5月、スプラトリー諸島における主権を侵害したとして、中国とフィリピンに正式に抗議した。中国は4月に無人の礁に国旗を掲げ、フィリピン軍はその付近で数日後に作戦を実施している。

中国は南シナ海のほぼ全域で領有権を主張し、多数の人工島を建設してきた。これに対し、ベトナムやフィリピン、ブルネイ、マレーシア、台湾もそれぞれが領有権を訴え、その境界線を巡って中国と対立している。

原題:Vietnam Steps Up Island-Building in South China Sea, Says CSIS(抜粋)

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