(ブルームバーグ):実用的なアイテムは平凡と思われがちだが、そんな思い込みを覆すのが、ロエベ「パズルフォルド」トートの最新作だ。日常のあらゆる物を詰め込むことができ、注目を集める存在にもなりそうだ。
ミディアムサイズ(2750ドル=約40万5000円)のバージョンは、かさばるノートパソコンや、念のため持って行きたいアイテムも余裕で収納できる容量ながら、驚くほど軽量な黒いカーフスキンがスリムなシルエットを保つ。折り紙のように平らに畳める構造で、スーツケースに入れて持ち運ぶのも容易だ。トートにはポケットがないため、ポーチを併用すると役に立つだろう。

ロエベの2025年秋冬コレクションは、20世紀に活躍したドイツ出身の芸術家でバウハウスの先駆者であるジョセフとアニ・アルバース夫妻の抽象絵画作品、「正方形讃歌(Homage to the Square)」シリーズからインスピレーションを得ている。幾何学的構成と色彩の対比が新作トートにも反映されており、ブラックには深いレッドとバーガンディが、ブラウンにはマスタードとイエローが組み合わされている。
今年3月に退任するまでロエベのクリエーティブディレクターを12年間務めたジョナサン・アンダーソン氏は、作品の多くにバウハウスの精神を反映させ、芸術性と機能性を融合した服やアクセサリーで高い評価を得ている。オリジナルの「パズル」バッグは、同氏が14年にロエベで発表した最初のコレクションの一部であり、このフォルドトートは23年に加わった新型だ。
北アイルランド出身のアンダーソン氏は現在、同じくLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下のクリスチャン・ディオールのアーティスティックディレクターを務めており、ロエベで手掛けた作品は「コレクターズアイテム」としての価値がさらに高まる可能性がある。
この秋、周囲から「そのバッグすてきね」と声をかけられたら、それがただの高級トートではないことをぜひ語ってみてほしい。
(原文は「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載)
原題:Loewe’s Puzzle Tote Is a Collector’s Item That Holds a Laptop(抜粋)
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