ベッセント米財務長官は、対中関税問題の現状に米国が満足していると述べた。11月に通商休戦の期限を控え、トランプ政権が対中関係の安定維持を重視していることを示すシグナルと受け止められる。

ベッセント氏は19日フォックス・ニュースとのインタビューで、交渉の進展がいつ見られるか、また関税の状況を踏まえて米国は貿易協定を必要としているのかとの問いに「われわれは現在の対中関税の状況に非常に満足している」と答えた。

「現時点では現状維持が非常にうまく機能していると思う」と述べた。

ベッセント米国財務長官

さらに、「中国は関税収入において最大の収益源だ。壊れていないなら直す必要はない」と述べ、「中国とは非常に良好な協議を行ってきた。11月までに再び会談の機会があるだろう」との見通しを示した。

米中間の緊張緩和が維持されていることを示唆する発言で、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と会談する可能性も視野に入ってきた。

トランプ政権は、首脳会談と貿易合意の実現を目指し、最近は対中姿勢の対立的なトーンをおおむね抑えている。ルビオ米国務長官は、両首脳の会談が実現する可能性は高いと述べたが、日程はまだ決まっていないという。

トランプ氏は先週、中国製品への関税引き上げをさらに90日間延期し、猶予期間を11月前半まで延ばした。これにより米中間の貿易関係は一定の安定を保つ形となっている。

一方で、トランプ政権は中国からの鉄鋼、銅、リチウムなどの素材輸入に対する監視を強化する方針を打ち出しており、この動きは中国から反発を招くとみられる。

原題:Bessent Says Tariff Status Quo With China ‘Working Pretty Well’(抜粋)

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