(ブルームバーグ):バイオテクノロジー企業から暗号資産(仮想通貨)の決済会社に転身したALT5シグマに、著名ヘッジファンドが相次ぎ出資している。
同社は先週、トランプ米大統領と息子らが関与する分散型金融(DeFi)プロジェクト、ワールド・リバティ・ファイナンシャルのトークンを購入する資金の確保に向けて、15億ドル(約2200億円)規模の増資を実施。息子のエリック・トランプ、ドナルド・トランプ・ジュニア両氏がナスダックのオープニングベルを鳴らすイベントに登場していた。

資産家スティーブ・コーエン氏率いるポイント72アセット・マネジメントは18日の届け出で、ALT5の株式4%を取得したことを明らかにした。この株式はコーエン氏個人ではなく、ポイント72のファンドの一つが保有している。
19日の米株式市場で、ALT5シグマは前日比10%安の5.48ドルで終了。ポイント72の持ち分の価値は2670万ドルとなった。
さらに、18日の別の届け出によると、エグゾダスポイント・キャピタル・マネジメントのマスターファンドは、ALT5の株式約590万株(発行済み株式の4.75%)を購入。8月11日時点の保有は620万株(5%超)で、その後ポジションを減らした。現在の持ち分は金額ベースで3210万ドル相当となる。
エグゾダスポイントとポイント72の広報担当はいずれもコメントを控えた。ALT5の担当者もすぐにはコメント要請に応じなかった。
ALT5はトランプ兄弟絡みのディールや暗号資産関連事業のブームに乗った新たな事例だ。同社の時価総額は先週、過去最高の約9億ドルに到達。ナスダック上場廃止の危機に見舞われていた昨年10月時点では、2500万ドルを下回っていた。
原題:Point72, ExodusPoint Bought Stakes in Trump-Tied Crypto Firm(抜粋)
--取材協力:Annie Massa.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.