米国産トウモロコシの2025-26年度の収穫高が過去最高になると米政府は予想するが、「見栄えの悪い」作物の写真がソーシャルメディアで拡散し、収穫を巡る不安を引き起こした。

問題の写真は「タイト・タッセル・ラップ」と呼ばれる現象で受粉にむらが生じ、粒が欠けたトウモロコシの様子を捉えていた。穀物価格下落や肥料代の高騰、貿易戦争で厳しさを増す輸出市場に直面する農家にとって、悩みの種がまた一つ増えた。

インディアナ州パデュー大学のダニエル・クイン助教(農学/トウモロコシのスペシャリスト)は「畑の脇を車で通れば『健やかに育った見事な作物に見える』が、実際行ってみると『それほど良くない』と気付く」と指摘する。

クイン氏によれば、タイト・タッセル・ラップの問題は、降雨を伴う気温の大きな変動、より大きなタッセル(穂)を持つハイブリッド品種の遺伝的性質と関連している可能性が高い。カンザス州やイリノイ州を含む少なくとも8州から相談を受けたが、収量にどの程度影響するかは不明という。

米穀物調査のプロ・ファーマーが18日から開始するクロップツアー(作況調査)では、トレーダーやアナリスト、ジャーナリストらが調査員としてオハイオ州からサウスダコタ州まで各地の畑を訪れ、トウモロコシと大豆の生育状態を詳しく記録する。そこから全米の数値も推定し、米農務省の見通しと比較する。

農務省は先週公表した最新の農産物需給報告で、25-26年度のトウモロコシの単位面積当たり収量が1エーカー当たり188.8ブッシェル、生産量が167億4200万ブッシェルと、いずれも過去最高を更新すると予測した。

 

原題:Ugly Corn Photos Going Viral Show Risk to Record US Crop (1)(抜粋)

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