(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)は、先月の経済指標が今年に入り最悪の水準だったにもかかわらず、利下げを含む積極的な金融緩和には慎重な姿勢を示している。7月の小売売上高が今年最低の伸び率にとどまるなど、本土経済の減速が鮮明になっている。
人民銀は15日に発表した四半期金融政策報告で、「適度に緩和的」な金融政策を「徹底的」に実行すると表明。一方で、ハイテクや消費分野などに的を絞った支援を行うと強調した。
米銀シティグループなど大手金融機関のアナリストは同報告を踏まえ、人民銀が金利や預金準備率の引き下げなどの緩和策実施を年内のより遅い時期に先送りする可能性があると分析している。
過剰生産能力の抑制に取り組む中で、米国の関税措置が重しとなり中国の景気は低迷している。ただ、1-6月(上期)の国内総生産(GDP)が前年同期比5.3%増となり、7-12月(下期)に成長が鈍化しても、政府が掲げる「5%前後」という通年目標を達成し得るとの見方も出ている。
全般的にエコノミストらは、人民銀が年内に10-20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の追加利下げと50bpの預金準備率引き下げを実施すると予想している。
年後半に経済がさらに減速した場合、政府が追加の景気刺激策を打ち出す可能性もあると見込むアナリストもいる。シティは、需要下支えのため政府が5000億元(約10兆円)規模の財政出動に準じるような動きをする可能性があるとみている。
原題:PBOC Signals No Urgency for Rate Cuts Despite Poor Economic News(抜粋)
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