(ブルームバーグ):トランプ米大統領は13日、民間宇宙産業の規制緩和を目指す大統領令に署名した。ロケット打ち上げの認可手続きを迅速化する措置も盛り込まれており、成長を続ける民間宇宙分野や、かつての盟友イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXにとって追い風となる。
ホワイトハウスが公表したファクトシートによると、今回の大統領令は運輸長官に対し、打ち上げ機や大気圏に再突入するための機体の規制要件を見直し、「時代遅れや重複、または過度に制限的な規則を廃止」するよう指示している。
トランプ氏は米連邦航空局(FAA)の打ち上げ認可手続きに関する規則の一部「パート450」を「再評価、改正、または撤廃」するよう運輸長官に指示した。パート450は本来、ロケット認可手続きの簡略化に向けて導入されたが、かえって手続きが煩雑になったと批判されてきた。
大統領令の実施次第では、世界的にロケットの打ち上げ件数が多いスペースXが直接利益を得る可能性がある。同社は現在、大型ロケット「スターシップ」の試験飛行を加速させている。
また、ジェフ・ベゾス氏率いるブルーオリジンやユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)、ロケット・ラボなど、打ち上げ事業拡大を計画している民間企業にとっても追い風となる見込みだ。
パート450は、商業打ち上げ認可の効率化を求める指示を受け、トランプ氏の第1次政権時に承認された。同一機体による複数回の打ち上げを1件の認可でカバーできる一方、性能に基づく一定の安全基準を設けている。
スペースXはこれらの規則をFAAが有効に運用できていないと主張し、同規則に反対するロビー活動を展開していた。
原題:Trump Signs Order to Ease Space Industry Regulations in Musk Win(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.