暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、最高値を更新したわずか数時間後、予想を上回るインフレ指標を受けて急反落した。ボラティリティー(変動性)の高さが改めて浮き彫りとなった。

米政府が14日発表した7月の生産者物価指数(PPI)が3年ぶりの大幅上昇となったのを受け、ビットコインは数分で4%余り急落した。株価は下落し、米利下げ観測も後退した。ビットコインは米東部時間13日遅くに付けた過去最高値12万4515ドルから反落した。

市場心理を暗転させたのは、ベッセント米財務長官の発言だった。長官は14日に、FOXビジネスの番組で、トランプ大統領の暗号資産戦略備蓄のために米政府がビットコインを新たに購入することはないと述べた。

長官はその後、発言内容を明確化し、「財務省は、準備を拡大するためビットコインをさらに取得する予算中立的な方策を模索し、『米国をビットコインの超大国にする』という大統領の公約を実現することに取り組んでいる」とX(旧ツイッター)で説明した。

ビットコインは米東部時間14日午後4時6分(日本時間15日午前5時6分)時点で、約11万8100ドル。

 

トランプ氏が1月に署名した大統領令では、政府が「予算中立的な」戦略でビットコインをさらに取得する方針が示されていたが、一部の暗号資産強気派は、刑事事件での没収による取得だけでなく購入も伴うと想定していた。中には、米政府が金準備の再評価を行い、それを原資にビットコインを買うとの見方もあったが、ベッセント氏はそうした見方を否定した。

ベッセント氏はFOXビジネスの番組で、「われわれは購入するつもりはない。没収資産を活用し、それを売却せずに積み上げていく」と述べた。

原題:Bitcoin Retreats From Record After Markets Get an Inflation Jolt(抜粋)

--取材協力:Boris Korby、Suvashree Ghosh.

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