中国コーヒーチェーン最大手の瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)はネスレ傘下のブルーボトルコーヒーへの買収提案を検討している。プレミアムコーヒー分野でのブランド強化と事業拡大が目的だという。事情に詳しい関係者が明らかにした。

ラッキンと同社に出資するセンチュリアム・キャピタルは、他の買収候補についても検討を進めており、これには京都発のコーヒーブランド「% Arabica(アラビカ)」の中国店舗運営会社などが対象に含まれている。非公開の情報だとして関係者が匿名を条件に語った。アラビカにはプライベート・エクイティー(PE、未公開株)投資会社PAGが出資する。

ラッキンとセンチュリアムはコカ・コーラ傘下のコスタコーヒーについても検討していたが、こちらは買収計画を進めない公算が大きいという。

協議はまだ初期段階で、買収提案に至らない可能性もあると関係者は述べた。ネスレ、PAG、コカ・コーラの各社はコメントを控えた。センチュリアム、 ラッキン、アラビカは現時点でコメントの要請に応じていない。

2017年創業のラッキンは、低価格コーヒーを売りに急拡大。中国では店舗数で米スターバックスを抜いた。スタバは中国事業の過半株をPE投資会社の博裕資本に売却することを決めている。

ラッキンは2020年、会計不祥事で米ナスダックを上場廃止となったが、その後は業績が改善している。7-9月期の純売上高は前年同期比50%増の21億ドル(約3250億円)、純利益は約1億8000万ドルだった。同四半期にはシンガポールの5店舗、マレーシアの21店舗、米国の3店舗を含め3008店舗を新規出店し、世界の総店舗数は2万9214店舗に達した。

ロイター通信は今月、ネスレがブルーボトルに関する選択肢を模索するため、モルガン・スタンレーと協議を進めていると報じた。ブルーボトルは2002年に米カリフォルニアで創業。その15年後にネスレが約4億2500万ドルで株式68%を取得した。ブルーボトルは米国のほか、中国、香港、日本、シンガポール、韓国で店舗を展開している。

原題:Luckin Coffee Is Said to Consider Bid for Nestle’s Blue Bottle(抜粋)

--取材協力:Fabienne Kinzelmann、Kristina Peterson.

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