アップルは一連の新製品投入を通じて、出遅れが鮮明となっている人工知能(AI)分野での復活を目指している。具体的にはロボットやリアルな音声アシスタント「Siri(シリ)」、ディスプレー付きスマートスピーカー、ホームセキュリティーカメラといった製品が計画されている。

事情を知る関係者によると、2027年を目標に開発中のテーブルトップ型ロボットはAIコンパニオンとして位置づけられており、AI戦略の中核を担う。一方、ディスプレー搭載スマートスピーカーは来年発売の予定で、エントリーレベルのスマートホーム製品を投入する取り組みの一環だという。

ホームセキュリティーは、もう一つの大きな成長機会と考えられている。新型カメラが家庭内の機能を自動化できるアップルのセキュリティーシステムの基盤となる。こうしたアプローチは、アップル製品のエコシステムを消費者にとって一層離れがたいものにする狙いがあると、未公表の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。

ブルームバーグの報道を受けて、アップル株価は一時2.3%値上がりし、この日の高値をつけた。終値は1.6%高の233.33ドル。

アップルはAIソフトウエア分野でなお立て直しの初期段階にあるものの、経営陣はハードウエアの新製品投入が復活の鍵を握るとみている。新たな分野でサムスン電子やメタ・プラットフォームズなどに対する競争力強化にも寄与する見通しだ。

アップルの広報担当者はコメントを控えた。これらの新製品計画は今後、変更または中止される可能性もある。またこうした取り組みの多くは日程も含め、アップルのAIソフトウエアの進展状況に左右されそうだ。

アップルのティム・クックCEO

原題:Apple’s AI Push to Hinge on Robots, Security, Lifelike Siri (1)(抜粋)

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