(ブルームバーグ):インド株式市場に対する運用責任者の評価が、わずか3カ月でアジアのトップの座から最下位に低下した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の調査で分かった。トランプ米大統領による関税措置のエスカレートが背景にある。
調査では、30%の回答者がインドに対して「アンダーウエート」と回答。次に多かったのがタイで20%、マレーシアが10%で続いた。一方、日本の株式市場は最も評価が高く、2位には中国が入った。 99人の運用責任者が調査に回答し、全員の運用資産を合計すると1830億ドル(約27兆円)に上る。
5月の調査では、インドが日本を上回りアジアで最も人気のある市場だった。ロシア産原油の購入などを理由に、トランプ政権がインド製品に対する関税を2倍の50%に引き上げると発表したことが影響し、評価が急降下した。
貿易摩擦への懸念や企業の業績低迷、割高なバリュエーションを背景に、世界の投資家は今四半期にインド株から約40億ドルの資金を引き揚げた。一方で、インド国内の機関投資家と個人投資家は買いを加速させている。

インドの投資信託協会のデータによると、個人投資家から主に資金を集めている株式特化型投資信託は、7月に過去最高となる4270億ルピー(約7200億円)の純資金流入を記録した。
こうした中でも、インド株は先週、コロナ禍初期以降では最長となる6週連続の下げを記録。アジア主要市場の中で大きく出遅れている。7月には中国株がインド株を約8ポイント上回るパフォーマンスを示し、2月以降で最も差が広がっている。
原題:India Is Now Least Favored Asian Stock Market, BofA Survey Shows(抜粋)
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