中国株はここ数カ月、上昇基調にある。大きな材料には欠けているものの、国内の潤沢なマネーが相場を下支えするとみられている。

中国本土の家計は、過去最高水準の預金残高を背景に株式市場に軸足を移している。金利が低下し続ける中、高リターンを狙った動きが広がり、信用取引残高が急増。今週は2015年以来の高水準に達している。本土市場の月間平均売買代金は3カ月連続で増加となる見通しだ。

CSI300指数は数カ月にわたるレンジ相場から抜け出し、4月の安値から16%上昇している。中国政府は大型景気刺激策や米国との通商合意を発表していないものの、一部の業種で広がる価格競争や過剰生産を抑制する動きを市場が好感している。

個人投資家に長らく好まれてきた小型株から成るCSI2000指数も急騰し、8年ぶりの高値を付けている。同指数の相対力指数(RSI、14日)は7日連続で「買われ過ぎ」を示す70を上回っている。

中国の証券会社、信達証券は政府の5カ年計画に対する楽観的な見方がある中で、今年下半期にかけて個人投資家の資金流入が加速すると予測している。最新のデータによると、中国国内のマネーサプライは6月に前年比4.6%増となり、2年超ぶりの大幅な伸びとなっている。

一方、企業収益や経済の見通しが本格的に回復しない限り、株高は持続しないとの懐疑的な見方も出ている。北京を拠点とする投資銀行、香頌資本のディレクターである沈萌氏は「業種間で株価の動きに大きな差があることから、市場全体が体系的に改善したとは言えない」と指摘している。

それでも、米国との貿易関係の改善でリスク選好の姿勢が強まる兆しが見られる。シティグループやゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは中国株への投資判断を引き上げている。

原題:China’s $11 Trillion Stock Market Stages Steady Resurgence (1)(抜粋)

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