中国政府は、満3歳までの子ども1人につき年3,600元(約74,000円)の育児手当を支給する。子育て世帯の経済的な負担を軽減し、少子化の抑制、消費拡大を企図している。
ただし、給付期間が短く、給付額も限定的であり、実質的な負担軽減には課題が残されている。
3歳まで毎年3,600元、第3子まで受給が可能に
中国政府は、7月、満3歳までの子ども1人につき年3,600元(約74,000円)の育児手当を支給すると発表した。
対象は2025年1月1日以降に出生した子どもで、2024年12月までに生まれた3歳未満の子どもも月数に応じて支給される。
支給は第3子までで、いずれも同額となっている。政府は年間およそ2,000万もの子育て世帯が恩恵を受けるとしている。
この育児手当は、個人所得税の課税対象外となり、生活保護受給者の場合も収入として算入されないこととなっている。
政府はこれにより子育て世帯の経済的な負担を軽減し、少子化の抑制、消費拡大をはかる方針である。
申請は、子どもの両親の一方または後見人が子どもの戸籍所在地で行う。
申請は主にオンラインで受け付けられ、アリペイやWeChatの「育児手当」ミニプログラム、または子どもの戸籍所在地の行政サービスプラットフォームから可能となっている。
給付金は申請者または子どもの銀行口座などに振り込まれる。各地域は現在、実施計画を策定中で、8月下旬から順次申請受付を開始する見込みとなっている。
財源は主に中央財政が負担し、残りを地方財政などが負担する。
2025年中に「育児手当補助金」として、およそ900億元(全体の約90%)が暫定的に配分される。
地方政府は、国の定める支給額を基準に、財政状況に応じて上乗せが可能であるが、その分は地方財政で賄うことになる。