トランプ米大統領は11日、今週予定されているロシアのプーチン大統領との会談について「手探りの会談になる」との見方を示し、終了後にウクライナや欧州首脳らと協議する意向を示した。トランプ氏はウクライナでの戦争終結を目指しているが、米ロ首脳会談への過度な期待をけん制した。

トランプ氏はホワイトハウスでの会見で、「私はプーチン大統領と協議し、この戦争を終わらせなければならないと伝えるつもりだ」と述べた。米ロ首脳会談は15日にアラスカで行われる予定で、プーチン氏にとっては約10年ぶりの訪米となる。

さらにトランプ氏は「ディール(合意)を決定するのは私ではない」と発言。「自分は行って、条件を見ることになる。『幸運を祈る』と言って立ち去り、それで終わりの可能性もある。これでは解決しないと言うかもしれない」と語った。

トランプ氏は、今回のプーチン氏との会合にウクライナのゼレンスキー大統領を招待する意向がないことを示唆し、米ロ首脳会談後の次のステップがプーチン氏とゼレンスキー氏の会談になるだろうと述べた。必要があれば、両氏の協議を仲介する考えも示した。

ゼレンスキー氏についてトランプ氏は「出席もあり得るだろうが、これまでに多くの会合に出席してきた」と述べ、「それでも3年半過ぎて何も起きていない」と続けた。

トランプ氏によれば、プーチン氏との会談直後にゼレンスキー氏や欧州同盟国の首脳らと電話協議を行う予定だ。プーチン氏と交渉する領土交換を含めた合意内容の枠組みについて説明するか、もしくは和平合意の仲介が厳しいとの見解を伝えることになるだろうと、トランプ氏は語った。「会談直後に、建設的な協議を行うことになるだろう」と、トランプ氏はみている。

ウクライナでの戦争の早期終結を選挙公約に掲げてきたトランプ氏にとって、今週のプーチン氏との会談は重大な節目となる。プーチン氏は、2014年にロシアが不法に併合したクリミアのほか、東部ドンバス地域全域も要求している。この要求を受け入れるなら、ゼレンスキー氏がルハンスク州とドネツク州の一部、すなわちウクライナが現在も掌握している地域から部隊を撤退させる必要がある。

トランプ氏は領土に関して「一部変更」があるかもしれないと述べ、「戦闘ラインを変える。ロシアはウクライナの広範な地域を占領しており、非常に重要な地域を押さえている。その一部をウクライナが回復できるよう努力する」と表明した。

米ロ首脳会談を控え、ゼレンスキー氏と欧州各国首脳は13日にトランプ氏およびバンス米副大統領と電話協議を行う。

メルツ独首相のコルネリウス首席報道官が電子メールで明らかにしたところによると、電話協議はベルリン時間午後3時から予定されており、欧州からはドイツのほかフランス、英国、イタリア、ポーランド、フィンランドの首脳らが参加する。

コルネリウス氏は、会談では「ロシアに圧力をかけるためのさらなる選択肢」に加え、「想定し得る和平交渉の準備や、領土問題や安全保障に関する問題」についても協議されると述べた。

原題:Trump Downplays Expectations for Reaching Summit Deal With Putin

European Leaders, Zelenskiy to Speak With Trump on Wednesday (1)

(抜粋)

(最終3段落を追加します)

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