投資家は米国株から資金を引き揚げ、マネー・マーケット・ファンド(MMF)に資金を移している。  バンク・オブ・アメリカ(BofA)がEPFRグローバルのデータを基にまとめたリポートから分かった。

米国の経済成長が広範な関税措置によって抑制されるとの懸念が再燃している。リポートによると、6日までの1週間に米国株からは約280億ドル(約4兆1000億円)が流出。MMFには1070億ドル前後の資金が流入し、1月以来最大の流入となった。

また、投資適格債およびハイイールド債ファンドへの流入も2020年6月以降で最大になったという。

S&P500種株価指数が記録的な上昇を見せていた米株市場は、米国の労働市場減速の兆しを受けて足踏み状態となった。

さらに、トランプ米大統領による新たな関税措置が7日に発効したことで、企業収益の先行きにも不安が広がっている。

平均関税率は現在15.2%に達しており、昨年の2.3%を大きく上回り、第2次世界大戦以降で最も高い水準となっている。

 

市場の関心は米連邦準備制度理事会(FRB)に移りつつあり、スワップ市場には2026年半ばまでに政策金利が約100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げられるとの見通しが織り込まれている。

BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏によると、同行顧客の多くが、景気が過熱も冷え込みもしない「ゴルディロックス(適温)」シナリオに賭けている。投資家は金利低下が株価上昇を促すシナリオを期待しているという。

今年、米国株に対して海外株を推奨し的中させた同氏はここ数週間、株式市場のバブルの可能性に警鐘を鳴らしている。

原題:Investors Pile Into Money Markets and Bond Funds, BofA Says、BofA’s Hartnett Says US Stocks Hit by Outflows as Rally Stalls(抜粋)

--取材協力:Michael Msika.

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