(ブルームバーグ):楽天グループは、2025年4-6月期(第2四半期)決算を8日に発表した。モバイル事業の赤字幅が縮小し、債券市場での資金調達に欠かせない信用力の回復が一層進む可能性がある。
発表資料によると、モバイル事業セグメントの損失は454億円(前年同期は606億円の赤字)。契約回線数は前四半期比約4%増の897万回線となり、1ユーザー当たりの売り上げ(ARPU)は前四半期に比べ改善し、2125円だった。
ただ全体の純損失は510億円で、前年同期の336億円の赤字から悪化した。ブルームバーグが集計したアナリスト4人の予想平均(201億円)も下回った。金融費用が依然として重かったほか、楽天メディカルへの投資で、減損損失を計上したことも響いた。
楽天Gの三木谷浩史社長はモバイル事業について、赤字ではあるが「しっかり成長している」と同日の決算説明会で強調した。
20年7-9月期以来、20四半期連続で赤字が続いているが、モバイル事業の改善で、楽天Gの信用力は回復の兆しを見せている。
7月には約4年ぶりに機関投資家向け社債を起債、個人向けと合わせて総額1600億円を調達した。これまで主に金利負担の大きい海外市場で資金を調達してきたが、国内での発行が定着すれば、財務改善の流れを一段と後押しすることになる。
機関投資家の需要は旺盛だった。主幹事の大和証券によれば、3年債は約3.4倍、5年債は約2.2倍の需要を集め、いずれも当初予定の100億円から150億円に増額した。
広瀬研二最高財務責任者(CFO)は決算説明会で、海外市場に加え、リテール投資家を含む国内社債市場を「資金調達の重要なチャネルとして位置付けている」と語った。
楽天Gの信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は縮小傾向にある。5年物CDSは224bpと、年初来で約14%縮小した。一方で株価はさえず、年初来で約7%下落している。
楽天Gはこのほか、楽天カードにおける東京国税局への追徴税および延滞税の納付予定額が49億円になることを明らかにした。
(第8段落以降にCFOコメント、楽天カードでの東京国税局への追徴税納付について追記しました)
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