(ブルームバーグ):8月第2週(12-15日)の日本株相場は一進一退となる見込み。国内企業の決算発表が一巡して業績への過度な懸念が和らぐ中、米国の景気や金融政策の先行きを見極める週になりそうだ。
米国では12日に7月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想では前年同月比2.8%上昇(前月は同2.7%上昇)が見込まれている。前月には企業が関税に伴うコストを消費者に転嫁し始めた兆しが出ていたことから、インフレ傾向が強まれば米国の利下げ観測が後退して日本株に逆風となる。
15日には米小売売上高が発表される。エコノミスト予想は前月比0.5%増。前月は同0.6%増と3カ月ぶりに増加しており、プラスを維持するか注目される。弱含んでも、米利下げ期待が高まり相場を押し上げる可能性がある。
14日は米半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズが5-7月期の決算を発表する。同社による半導体需要や米関税影響の見通しは、国内関連株の値動きに影響を与えそうだ。
1週の東証株価指数(TOPIX)は堅調な企業決算を背景に週間で2.6%上昇。8日には史上初の3000ポイント台に乗せた。高値警戒感が相場の重しになりそうだ。
企業決算は13日にアシックスやネクソン、14日にSOMPOホールディングスや電通グループが発表を予定している。15日には内閣府が4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値を発表する。ブルームバーグの調査では2四半期ぶりのプラス成長が見込まれている。
《市場関係者の見方》
岡三証券の大下莉奈シニアストラテジスト
米国の経済指標をにらみながら値動きが激しくなる場面がありそうだ。CPIが上振れれば利下げに対する不透明感が高まりやすい。また、日本の食品メーカーの決算を見ると北米の販売が急に減速している。米国の消費者心理が変調している可能性があり、小売売上高への関心も高い。一方で相場が下げれば押し目買いが見込まれ、結果的に株価指数は横ばい圏となるだろう。
SMBC信託銀行の山口真弘チーフマーケットアナリスト
小売売上高など米経済指標の悪化度合いが急なら相場にネガティブ、緩やかなら利下げ期待の高まりでポジティブ。日本企業の決算は悪くなく、自社株買いも引き続き高水準で全体として株価にプラスの要素はある。夏休みで市場参加者が少ない中、材料次第で日経平均株価が最高値に近づく可能性がある。ただ、高値警戒感がくすぶっており4万2000円近辺が壁となろう。
--取材協力:我妻綾.
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