(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇基調となる見込みだ。日本銀行による年内の追加利上げ期待や米連邦準備制度理事会(FRB)の理事人事が円買い・ドル売り圧力になる。
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長
- ドル・円はレンジ内ながら、ドルが主要通貨に対して売られており、円はややしっかりの展開
- 7月の米消費者物価指数(CPI)全体でインフレ進行が確認されない場合、9月の利下げを肯定することになり、ドル売り材料になる可能性がある
- FRBメンバーの発言にも注意。今月下旬のジャクソンホール会議を前に、パウエル議長の政策スタンス転換を示唆する発言が出てくるか注目される
- 予想レンジは1ドル=145-149円
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- FRB理事候補のミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長はドル安論者のため、ドル・円の上値を抑えるとの思惑が出ている
- 国内では日銀の7月会合の主な意見で利上げ方向が示された。また、関税交渉決着で石破茂首相の進退には8月末あたりまで大きな動きはないとみられ、財政規律重視が維持されることは円買い要因になる
- 米露首脳会談も注目だ。ロシアとウクライナの停戦となれば、原油安がドル・円の下落につながる可能性がある一方、リスクオンの円安もあり得る
- 予想レンジは1ドル=145-150円
来週の主な予定
- 12日:オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利を決定
- 12日:7月の米CPI
- 14日:7月の米生産者物価指数(PPI)
- 15日:4-6月期の実質国内総生産(GDP)
- 15日:7月の米小売売上高
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