(ブルームバーグ):「Dove」や「M&M’s」などのチョコレートブランドで知られる米食品大手のマースは、より耐性の強いカカオの品種開発を加速させるため、遺伝子編集技術を活用する。
カカオの安定供給を確保する一環として、マースは農業分野の遺伝子編集を手がけるペアワイズとライセンス契約を締結する。この契約により、マースは生物のDNA配列を改変できるツール「CRISPR(クリスパー)」へのアクセスを得る。
世界最大級のカカオ生産国、コートジボワールやガーナはここ数年、天候不順や病害に見舞われている。カカオの供給量が減少し、価格は過去最高を更新。そのため、カカオの安定供給確保は菓子メーカーにとって喫緊の課題となっている。
ペアワイズは、遺伝子編集が「作物を改良し、世界的なサプライチェーンを支える可能性がある」と指摘。「最終的な目標は、気候変動や植物の病害、環境ストレスといった世界的なカカオへの圧力に対応すること」だと説明した。
マースは2018年、カカオの供給網を支えるため、10年にわたる10億ドル(約1470億円)規模の投資を発表。
その中には、カリフォルニア大学バークリー校の研究者によるクリスパーを使った耐病性カカオの研究支援も含まれていた。今回の契約について、マースはこれ以上のコメントを控えている。
原題:M&M’s Maker Turns to Gene Editing in Bid to Secure Cocoa Supply(抜粋)
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