(ブルームバーグ):7日の外国為替市場の円相場は1ドル=147円台で底堅く推移。日米関税合意を巡る懸念が円相場の重しとなる半面、米国の利下げ観測や連邦準備制度理事会(FRB)の人事を巡る不透明感などがドルの上値を抑えており、方向感に乏しい展開が続いている。

東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、日米の関税合意に認識のずれがあり、トランプ米大統領の発言も予測が難しく、「市場で通商交渉は不透明要因として意識されている」と話した。米雇用統計後のドル・円は下落局面にあるが、材料不足とドル・円双方の売りが重なり、当面は小幅な値動きにとどまりそうだとみている。
利下げ時期を左右しかねない通商交渉では摩擦が目立つ。米政権はインド製品に対する関税を50%に引き上げ、スイスとは関税引き下げで合意に至っていない。リスク回避で円が買われやすい半面、日米の関税合意内容に対する認識の違いや国内の政局不安が円の重しとなっている。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、ウクライナとロシアを巡る地政学リスクやFRB人事を含め不透明要因が多過ぎると指摘。ドルの信認が低下する中、通商交渉や関税合意の不透明感も重なっており、「現時点では円よりもユーロの方がヘッジ通貨として選ばれやすい」と言う。
上田氏は、来週発表される米消費者物価指数(CPI)を見極めるまでは積極的な取引はしにくく、「今週は147円前後での小動きが続く」との見方を示した。
(円相場の水準を更新し、ストラテジストの見方を追記)
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