(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は6日、7月の雇用統計は「懸念すべき内容だ」とし、米経済の転換点を示唆している可能性があるとの見方を示した。

クック氏はボストン連銀が主催した討論会で「こうしたデータの修正は転換点でよく見られる傾向だ」と述べた。
先週公表された雇用統計では、労働市場が過去数カ月に大きく減速したことが示された。7月の雇用者数は前月比7万3000人増と市場予想を下回った。また、雇用者数の伸びは5月と6月を合わせて26万人近く下方修正された。
クック氏はまた、企業が直面している不透明な状況が税金のように作用していると述べた。企業経営者は、不確実性への対応に多大な時間を費やしていると報告しているという。
「これは経済にとって純粋な損失だ」とクック氏は語った。
同じ討論会に登壇したボストン連銀のコリンズ総裁もこの見方に同調し、「不確実性という税金は、さまざまな業種で最も強く意識されている懸念だ」と述べた。
不確実性が設備投資の抑制要因とされてきたが、コリンズ氏は価格設定の判断にも影響していると指摘した。
「不確実性が、価格設定に関する様子見姿勢につながっているとも聞いている。高インフレの時期から脱却したばかりの今はなおさらだ」とコリンズ氏は語った。
原題:Fed’s Cook Says Jobs Data Suggest ‘Turning Point’ for Economy(抜粋)
(4段落目以降にクック理事とボストン連銀総裁の発言を追加して更新します)
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