国連のグテレス事務総長は7億ドル(約1000億円)超の支出削減と組織改革プランの策定を進めている。最大の拠出国である米国が支援を後退させていることに対応する。

グテレス氏の計画では、支出と雇用の20%削減が呼びかけられている。これにより、現在37億ドルとなっている通常予算は2018年以来の低水準にとどまる見込み。約3000人の削減につながる可能性がある。

この改革プログラムは、表向きには国連創設80年に合わせたもので、トランプ米政権とは無関係とされている。しかし、削減規模は大きく、国連予算の22%を占める米国からの支援が脅かされている状況を反映している。

 

トランプ大統領は既に複数の国連機関からの離脱や資金拠出の停止を表明しており、今後さらに幅広い見直しが行われる見込みだ。

米国務省のピゴット副報道官は7月31日、記者団に「米国の妨げとなる政策を掲げる組織にわれわれが関わることはない」と語った。

国連のグテレス事務総長

トランプ政権は米国の国益に焦点を当てる取り組みの一環として、数百億ドル相当の対外援助を打ち切った。その一方で、中東やウクライナ、アフリカでの紛争により、国際支援の必要性はさらに高まっている。

グテレス氏はすでに国連が「深刻な流動性危機」に直面していると警告していた。9月に発表予定の予算案で改革計画の詳細を公表する見込みだ。

原題:UN Lays Out Survival Plan as Trump Threatens to Slash Funding(抜粋)

--取材協力:Eric Martin.

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