(ブルームバーグ):アジア時間4日午後の取引で米株価指数先物は上昇。前週末に発表された軟調な米雇用統計が米利下げ観測の高まりにつながっている。
S&P500種株価指数の先物は0.4%高となっている。同指数は前週末に5月以降で最大の下げを記録していた。アジア株の指標は一時0.5%下げたが、その後は切り返し、0.1%高となっている。
米国債相場は先週の上げを幾分消しており、10年国債利回りは約4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.25%となった。
原油は石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスの大幅増産決定を受けて下落。ドルはほぼ変わらずとなった一方、金は0.2%下落した。
米失業率の上昇と雇用の伸び鈍化を背景に前週末1日の米国株が急落したことを受け、経済支援に向けた米利下げへの期待が高まった。軟調な経済指標が株価のバリュエーションに疑問を投げかける一方、政策当局者が持続的な景気回復に向け行動を起こすとの見方が広がっている。
サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は「市場は利下げが次の支援材料になるとの見方を強めている」とし、「問題は、この緩和がソフトランディング(軟着陸)の動きから来るのか、それともスタグフレーションリスクの悪化から来るのかだ」と述べた。
米労働省労働統計局(BLS)が1日発表した7月の雇用統計では、過去2カ月の非農業部門雇用者数の伸びが新型コロナウイルス禍以来の大幅下方修正となった。7月自体の伸びも予想を下回り、労働市場の激変ぶりが示された。

オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、9月の利下げ確率が80%超に達したほか、さらに1回の年内利下げが完全に織り込まれている。一部では0.5%の利下げを見込む声もある。
ハリス・フィナンシャル・グループのジェイミー・コックス氏は「9月の利下げは確実で、0.5%の引き下げもあり得る」と述べた。
原題:S&P 500 Futures Advance, Treasuries Pare Gains: Markets Wrap(抜粋)
--取材協力:Winnie Hsu、Joanne Wong、Abhishek Vishnoi.
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