(ブルームバーグ):米国のバンス副大統領とチャベスデリマー労働長官は、弱い雇用統計の発表後も現在の労働市場に前向きな見解を示そうとした。トランプ大統領はしかし、統計発表元の労働統計局長を政治的な動機に基づくものだと証拠も示さずに主張し解任した。
バンス氏は米国生まれの労働者の数が増えた一方、外国生まれの労働者の雇用が減少したことを示すグラフをX(旧ツイッター)にリポストした。この状況はトランプ政権の移民政策を反映している可能性がある。
チャベスデリマー長官は1日にブルームバーグテレビジョンで、非農業部門雇用者数の下方修正は予想外だったとしつつ、トランプ政権2期目以降、雇用の伸びは依然として前向きな軌道上にあるとの認識を示した。政権発足後に創出された雇用は、ヘルスケアや建設分野を含め、50万人近いと述べた。
「下方修正については議論すべきことであるし、予想外だったが、その修正の大半、62%は教育分野と季節労働に関連していた」と説明。「数字が実態に後から追い付くことは、時々起きる」と話した。
同長官は、トランプ氏が行っている通商交渉での関税措置の活用や減税・歳出法の成立も評価した。
トランプ氏はその数時間後にマッケンターファー労働統計局長を解任。
チャベスデリマー長官はその後、「雇用に関する数字は公正、正確でなければならず、政治的目的のために操作されることは決してあってはならないという大統領の主張に全面的に同意する」とXに投稿。根拠のないトランプ氏の主張に寄り添う姿勢を示した。
原題:Vance and Labor Department Touted Jobs Data That Trump Now Hates(抜粋)
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