米ボーイングは、ミズーリ州セントルイス近郊にある防衛関連工場での約30年ぶりとなるストライキに備えている。労働組合員が会社側の修正契約案を拒否したためだ。

セントルイスにあるボーイングの防衛・宇宙部門の施設

労組は、20%の賃上げと退職年金の増額を盛り込んだ契約案を拒否。約3200人の機械工が現地時間の3日深夜からストライキに入る構えだ。国際機械工・航空機工労組(IAM)837支部によるストは1996年以来で、当時は99日間にわたり工場の稼働が停止した。

トム・ボーリング支部長は声明で、「IAM837支部の組合員は、自分たちの技能や献身、そして米国の防衛における重要な役割に見合う契約が必要だと明確に主張してきた」と述べた。

今回の労使対立により、ボーイング防衛・宇宙部門の財務は一段と圧迫する可能性がある。同部門は4-6月(第2四半期)の全社売上高の約30%を占めている。

ボーイングのバイスプレジデントでセントルイス現地責任者のダン・ギリアン氏は声明で、「われわれはストに備えており、ストに参加しない従業員によって顧客支援が継続できるよう、非常時の対応計画をすでに実行に移している」と述べた。

同支部組合員らは、F15戦闘機やT7練習機のほか、ミサイルや弾薬といった軍需品の製造を担っている。またジェット旅客機の777Xに使用される部品の製造にも携わっている。

近年、航空宇宙業界では技能工の人手不足を背景に労組の交渉力が強まり、活動が活発化している。

原題:Boeing Defense Union Poised for Its First Strike Since 1996 (2)(抜粋)

(会社側や労組支部長のコメントなどを追加して更新します)

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