(ブルームバーグ):石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが、9月の大幅増産で原則合意に達した。参加国代表が明らかにした。自主減産の解除は完了する見通しとなった。
この代表によると、OPECプラスのサウジアラビアなどは3日のオンライン会合で、9月の日量54万8000バレルの増産を承認する見通し。世界市場シェアの回復を目指す動きの一環だという。今回の増産には、2023年に8カ国が実施した日量220万バレルの減産の完全解除に加え、アラブ首長国連邦(UAE)が段階的に導入している追加供給枠も含まれる。
9月の大幅増産は、OPECプラスの価格防衛から供給拡大への方針転換の最終段階となる。こうした動きは、地政学的リスクや季節的な需要増加の中でも先物価格の上昇を抑制することから、消費者にとっては一定の安心材料となり、トランプ米大統領にとっても追い風となる。ただ、年後半の供給過剰が増幅する恐れもある。
OPECプラスはすでに先月の会合で、220万バレルの自主減産を解除する方向で暫定合意していた。市場関係者は今後、日量166万バレルの供給停止分に焦点を移す可能性がある。この供給分は26年末まで停止される予定となっている。
RBCキャピタル・マーケッツのコモディティー戦略責任者ヘリマ・クロフト氏は、「220万バレルの自主減産が解除されることで、生産国は市場環境やマクロ経済要因を見極めるため一旦立ち止まるだろう」と分析した。
原油市場では夏場の需要回復を背景に価格が持ち直しており、北海ブレント先物は1日、1バレル=70ドルを若干下回る水準となった。今年の下落率は6.7%となっている。ただ、今年後半には、世界的に成長が鈍化する中で供給が拡大することで供給過剰が深刻化するとアナリストは警告している。
原題:OPEC+ Agrees in Principle to Another Bumper Supply Increase (2)(抜粋)
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