(ブルームバーグ):トランプ米大統領はスイスからの輸入品に対して39%の関税を課すと発表した。日本や韓国、欧州連合(EU)と合意した15%を大幅に上回り、世界的にも極めて高い水準で設定されたことで、スイス経済への影響が懸念される。
トランプ氏が4月に発表した関税率は31%だった。大統領令を受け、スイス・フランはやや下落した。
ブルームバーグ・エコノミクスがまとめたデータによると、2024年におけるスイス産品の対米輸出のうち、医薬品が約半分を占めている。スイス経済は製薬会社のノバルティスやロシュ・ホールディングに大きく依存しているが、今回の関税が業界に与える影響は依然として不透明だ。

米国の対スイス貿易赤字は24年で380億ドル(約5兆7300億円)に上る。ただ、赤字額上位10カ国には含まれていない。
トランプ氏による4月の関税発表を受け、安全資産として注目されたスイス・フランが急上昇。スイスの輸出業者にとってこれらが二重苦となった。スイス国立銀行(中央銀行)は政策金利をゼロ%に引き下げた。
スイスのケラーズッター大統領兼財務相は6月末、スイスが為替を操作していないという主張を米当局者が受け入れたとし、合意が得られると慎重ながらも楽観的な見方を示していた。トランプ氏の第1期政権中に米財務省はスイスを為替操作国に指定した。
原題:Switzerland Slammed With 39% Tariff Rate in Trump Trade Blitz(抜粋)
--取材協力:Levin Stamm.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.