上場投資信託(ETF)市場で低調だった一角に突如、40億ドル(約6000億円)規模の資金が流入している。

ブロックチェーンのイーサリアムと結びついた暗号資産(仮想通貨)イーサは長年、ビットコインの陰に隠れていたが、個人、機関投資家の双方からの資金流入を背景に一気に勢いづいた。

その恩恵を大きく受けているのがブラックロックの「iシェアーズ・イーサリアム・トラストETF」(ティッカー:ETHA)だ。米国で取引されているETF4000本強のうち、先月の資金流入額番付で5位になったと見込まれる。設定から1年のファンドとしてこれは快挙だ。暗号資産市場全体の勢いも反映している。

もっともETHA躍進の背景には典型的な投機材料がある。価格の大幅上昇や規制面の追い風、イーサリアムがトークン化資産などの基盤になり得るといった見方の浸透だ。ただ、こうした要因が持続する保証はない。実際は、イーサリアムの基盤ネットワーク普及ではなく相場の勢いが資金流入をけん引している。今のところ市場は、期待感だけで十分と見ている様子だ。

 

暗号資産にも投資する運用会社エクイティー・アーマー・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ブライアン・スタトランド氏は「現時点で見られるのは、市場の勢いと高揚感に突き動かされた勢いだ」とした上で、「これが正当化されるかは分からないが、イーサリアムが勢いを得ているのは確かだ」と話す。

イーサの価格は4月初めに付けた安値の2倍余りに達し、ビットコインの上昇率(40%)を80ポイント強上回っている。7月半ばにステーブルコイン関連法が成立したことで、上げが加速した。同法によってデジタル金融の基盤としてのイーサリアムの役割が強化されるとの見方がある。

原題:BlackRock ETF Nabs $4 Billion for a Crypto Trade Beating Bitcoin(抜粋)

--取材協力:Isabelle Lee.

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