アマゾン・ドット・コム、アンソロピック、アップル、アルファベット傘下グーグル、オープンAIなどの米テクノロジー大手企業は、医療システムやトランプ米政権と協力し、分断された医療データを患者や医療提供者にとってより有用なものにするために取り組むと表明した。

個人の医療情報を扱う難しさが、医療の多くの分野における「ブラックボックス化」の一因となっている。メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のオズ所長やケネディ厚生長官ら米保健当局者は30日、ホワイトハウスでのイベントでこうした障壁の打破を狙った自主協定を発表した。

民主・共和両党政権は長年にわたり、米医療システムにおけるデータ共有の円滑化に取り組んできた。政府は紙ベースの記録をデジタル化し、電子記録システム間の連携を可能にする規格を推進するために数十億ドル規模の資金を投入。それでも取り組みの成果にはばらつきがあり、医療はテクノロジー面で金融やメディアといった業種に後れを取っている。そうしたシステム上の摩擦が患者や医師の不満を生んでいる。

今回のCMSによる新たな取り組みは、主に2つの分野に焦点を当てている。一つは患者と医療提供者のデータ共有の改善、もう一つは消費者向けアプリの拡充だ。そうしたアプリは、肥満や糖尿病の管理、人工知能(AI)アシスタントを活用した予約や症状の確認、医療機関の受診手続きにおける書類作業の削減などに生かせる。

このイニシアチブには60社超の企業と11の医療システムが参加する予定だとCMSは説明。高齢者がプランに加入しやすく、また医療提供者を見つけやすくするほか、患者自身が医療データにアクセスしやすくすることを目指す。

ただ、あくまで自主的な取り組みのため、企業が約束を履行しなかった場合にどうなるかは不明だ。CMSによれば、各社は2026年1-3月(第1四半期)までに「成果を出す」ことで一致している。

原題:Apple, Google, OpenAI Work With Feds to Make Health Data Helpful(抜粋)

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