(ブルームバーグ):米国本土の半分近くが今週、猛暑に見舞われる見通しだ。シカゴからニューヨーク、ニューオーリンズに至る各地で気温と湿度が急上昇し、電力需要の増加や健康への悪影響が懸念される。
米国立気象局(NWS)によると、ネブラスカ州からロングアイランド、またニューハンプシャー州からテキサス州北東部にかけての広い地域に熱中症注意報や猛暑警報が発令されている。ニューヨークのセントラルパークでは28日の最高気温がセ氏36度となる見込みで、湿度の影響で体感温度は38度前後かそれ以上になるという。シカゴの体感温度は約39度に達する見込み。
こうした厳しい暑さは、南下する前線により徐々に和らぐと予想されているが、深南部では高温多湿の状態がしばらく続く見込みだ。米気象予測センター(WPC)の支所上級予報士デービッド・ロス氏は「とくに北東部では、今後数日をなんとか乗り切る必要がある」と語った。
記録的な暑さにより冷房使用が一気に増えたことで、米中部から大西洋岸にかけての電力会社や送電網運用機関は警戒を強めている。
送電網運用機関、PJMインターコネクションはメリーランド州や首都ワシントン、バージニア州を含むエリアで「予備緊急対応」を発動。電力会社に対し、企業や家庭に冷房の設定温度を上げるなど、電力使用の抑制を呼びかけるよう求めた。
米環境保護庁(EPA)によれば、米国では1979年から2022年の間に1万4000人余りが熱中症などで死亡している。
WPCによると、ニューヨークでは猛暑が30日夜まで続く見通しだという。
原題:Searing Heat Threatens Grids, Health Over Nearly Half the US (2)(抜粋)
--取材協力:Naureen S Malik.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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