(ブルームバーグ):ドイツの街を歩けば、戦後の建築物やしっくいの壁が目立つが、最近ではベランダや窓に設置されたエアコンを見かけることも増えてきた。
ドイツや欧州北西部の住宅の多くは、これまでエアコンが備え付けられておらず、その必要もなかった。しかしこの数年で猛暑が頻発するようになり、今では多くの人々が最も手軽な暑さ対策はポータブルエアコンを使うことだと考えている。
「都市設計が最適とは言えず、日陰も少ない現状では、問題の根本的な解決策ではないが、われわれにとって唯一のソリューションだ」と話すのは、フランクフルト在住のIT専門家マーク・エバンス氏(39)。同氏は昨年夏、899ユーロ(約15万6000円)でポータブルエアコンを購入した。
欧州の新たな気候の現実に対応するのは、困難で費用もかかる。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)によれば、域内住宅の約半数は1980年以前に建てられ、空調システム導入に必要な配管や配線のための改修が容易ではない。
ドイツでは、賃貸住宅の居住者が人口の半数強を占める。これはEU諸国で最も高い割合で、その多くは取り付け式のエアコン設置に資金を投じようとは思わず、また貸主の許可なしに設置することもできない。
持ち家であっても問題に直面する可能性はある。集合住宅の住人がエアコンの屋外機を設置する場合、まず管理組合の承認が必要だが、騒音や環境への懸念から却下されることが多い。
そのため、記録的猛暑となった6月以降、ポータブルエアコンのメーカーや販売業者は品薄状態に陥っているという。
今月実施された小規模な調査によれば、回答者の18%がエアコンを所有していると回答。2023年の13%は上回ったものの、ドイツ連邦環境庁の推計では実際にはもっと低いとされている。
また、同国内のエアコン所有者の3分の2が持つのは「モノブロック」と呼ばれる単一ユニットで、窓用や排気ホース付きの床置き型が多いという。
一方、米国では90%近い世帯がエアコンを備えており、そのうち3分の2はセントラル方式やヒートポンプ式だ。
原題:Portable AC Demand Is Rising in Germany As Summers Become Hotter(抜粋)
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