トランプ米大統領は25日、「エプスタイン事件」の共犯者として有罪判決を受け服役中のギレーヌ・マクスウェル受刑者に対し、継続中の捜査に協力することを条件に恩赦を与える権限が自分にはあると主張。ただし現時点で、それを検討したことはないと述べた。

「私にはそうする権限があるが、今のところ考えたことはない」とトランプ氏は、スコットランドに出発する前にホワイトハウスで記者団に述べた。

マクスウェル受刑者は未成年女性への性的虐待でエプスタイン被告を助けたとして、20年の刑に服している。政府に情報開示を求める圧力が強まる中、ブランチ司法副長官はこの日、同受刑者と2度目の会見を予定している。ブランチ氏はかつて、トランプ氏の個人弁護士を務めていた。

大統領が恩赦を申し出た場合、マクスウェル受刑者は捜査官に虚偽の証言を行う可能性が高まるとして、反トランプ陣営だけでなく、一部の共和党議員からも警告の声が上がっている。

共和党からも警告

下院監視・説明責任委員会のコマー委員長(共和)は今週、CNNとのインタビューで、いかなる場合でも恩赦の要求は「論外であるべきだ」と述べ、他の共和党議員も支持しないだろうと話した。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は今週、この事件に関する司法省の記録文書に政財界の有力者に加えてトランプ氏の名前が複数回にわたって言及されていたと報道。名前の言及は、同氏が犯罪行為に関与したことを意味するものではないとWSJは強調している。同紙はまた、エプスタイン被告に贈られた誕生日プレゼントに、トランプ氏直筆の露骨な内容の手紙が含まれていたとも報じた。

トランプ大統領はその手紙の存在を否定し、WSJの発行元であるダウ・ジョーンズと親会社のニューズ・コープ、オーナーのルパート・マードック氏を名誉毀損で提訴した。

個人弁護士

トランプ大統領は25日、マクスウェル受刑者との面会においてはブランチ副長官を信頼しているとし、同副長官は「プロの弁護士だ」と述べた。

「彼はこういう案件をこれまで経験していると思う」とトランプ氏は話した。

ただし自分とエプスタイン氏の関係ばかりが注目されることに不満を示し、メディアは他の人物に焦点を絞るべきだと促し、自分は「あの男と何ら関係がない」と話した。

「私はあの島に行ったことがない」とトランプ氏。エプスタイン氏が所有し、そこで若い女性を性的に虐待しあっせんしていたとされるカリブ海の不動産を指していると考えられる。

「ヘッジファンドの連中にも注目するべきだ。リストを渡してもいい」とトランプ氏は話し、「あの連中はジェフリー・エプスタインと一緒に暮らしていた。私は断じて違う」と続けた。

原題:Trump Says Could Pardon Maxwell But Hasn’t Thought About It (1)(抜粋)

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