多くの自動車メーカーが電気自動車(EV)の投入計画を見直す中、トヨタ自動車はEVユーザーが着実に増えると判断し、投入モデルを段階的に広げる。同社の北米事業の責任者は、次世代EVについて「テスラキラーになり得る」と自信を見せる。

トヨタは現在、米国で4車種のEVを輸入販売しており、今月には5車種目を追加する。年後半にはケンタッキー州の工場で新型EVの生産を始め、2027年にはさらに1車種加える計画だ。米国でのEVのラインナップは計7車種となる。

米国では昨年、トランプ政権が税額控除などの優遇措置を廃止した影響で、EV需要が急減。同市場には逆風が吹く。だがトヨタはプラグインハイブリッド車(PHEV)への関心の高まりにつれて、EV販売も回復するとみる。ハイブリッド車(HV)で築いた優位性を生かし、EV市場でも存在感を示していく考えだ。

トヨタ北米事業のマーク・テンプリン最高執行責任者(COO)は「新たな選択肢を求める顧客が増えている。複数の電動車をそろえて市場に参入する」と語った。「市場全体の15%シェアを獲得できるのであれば、EVでも同じ比率を狙える」と自信を示した。

現在、多くの自動車メーカーがEV戦略の見直しを迫られている。ホンダは3月、北米で生産を予定していたEV3車種の開発中止など、電動化戦略の大幅な見直しを発表。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターも相次いでEV計画を縮小した。テスラは「モデルX」と「モデルS」を生産終了し、ラインアップを絞り込んだ。

市場の逆風が強まる中で、トヨタはむしろそこに商機を見出す。テンプリン氏は、「環境性能を最も重視してプリウスを愛していた層は、一時的にテスラに移ったとしても、最終的にトヨタに戻ってくるだろう」と語った。

同氏は2週間前に日本で次世代EV3車種に試乗したといい、「完成度は高い。テスラキラーになり得る」と自信を示した。

米国消費者の需要が、同社の全ラインアップを支えるのに十分かどうかは依然として不透明だ。米コックス・オートモーティブによると、米国のEV販売は、25年第3四半期に新車販売の10.5%でピークとなったが、同年末時点では5.8%にとどまった。

トヨタが初めて量産したEVは、順調な滑り出しとはいかなかった。初代「bZ4X」は22年、走行中にホイールが脱落する恐れがあるとしてリコールに踏み切り、販売を一時停止した。再開後も、ハイブリッド車が堅調に売れる一方、同モデルは米国で販売が伸び悩んだ。ただ、昨年「bZ」と改めた最新モデルは、徐々に購入者の支持を集めつつある。

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