(ブルームバーグ):ゴールドマン・サックス・グループのトレーディングデスクは25日、赤字のテクノロジー銘柄の空売りについて、顧客の抵抗感が薄れてきていると明らかにした。「ミーム株」旋風が再燃し、一部の小型株が急騰したことが背景にあるという。
ゴールドマンが組成する赤字テクノロジー株バスケットは、4月中旬の安値から約70%上昇した後、直近2日間で3%超下落した。
同行の米カスタムバスケットチーム担当バイスプレジデント、ファリス・ムラッド氏は「今週の顧客との対話では、収益性のないハイテク株など市場の最も投機的な分野で、いつ反対ポジションを取るかという話題がもっぱらだった」とリポートで指摘。「週が進むにつれて、議論よりも売買に出る動きが目立ってきた。こうした水準で空売りを仕掛けることに、顧客の抵抗感が薄れてきているようだ」と記した。

こうした変化が生じた背景には、百貨店のコールズやウエアラブルカメラメーカーのゴープロ、ドーナツ店チェーンのクリスピー・クリームなどの株価が目を見張るような急騰を演じ、再びウォール街の注目を集めていることがある。
市場参加者の中にはこうした動きについて、株式市場で投機的な過熱感が高まりつつある兆候だと見る向きもある。
ゴールドマンのいわゆる「投機的取引インジケーター」は今週、記録的な高水準に達した。米国株に対する強気のコールオプションは、オプション取引全体の61%超を占め、2021年以来最大の割合となった。収益のない企業の株式に対する個人投資家の取引も、21年のミーム株ブーム時を上回る勢いを見せている。
投機熱が膨らむ中、ゴールドマンやシタデル・セキュリティーズなどのトレーディング部門は、米株の下落に備える安価なヘッジの購入を勧めている。来週予定される大型ハイテク企業の決算発表や、8月1日に控えるトランプ大統領の関税期限などが一連のリスク要因だとしている。
原題:Goldman Trading Desk’s Clients Start Shorting Speculative Tech(抜粋)
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