(ブルームバーグ):債券トレーダーの間では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年、積極的な利下げに踏み切るとの見方が強まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のトップがいずれ交代し、トランプ米大統領が主張する一段と緩和的な金融政策が進められるとの観測が背景にある。
こうした見方は、2025年12月限および26年12月限の「担保付翌日物調達金利(SOFR)」先物の利回りスプレッドにも表れている。このスプレッドは、米金融当局がその期間にどれほど利下げするかについて、市場の観測を反映している。
景気の底堅さから、トレーダーはFOMCの利下げは来年に先送りされるとの見方を強めていた。このため利回りスプレッドはここ数カ月、緩やかに拡大していた。しかしトランプ大統領が先週、パウエルFRB議長に対する批判を強めると、スプレッドが一段と拡大。投資家が織り込む来年の利下げは計76ベーシスポイントと、4月時点の観測(25ベーシスポイント)から大きく上昇した。
トレーダーは、来年5月に任期満了のパウエル氏の後任がトランプ氏の利下げ要求に従うとの見方を強めている。
コロンビア・スレッドニードルのグローバル金利ストラテジスト、エド・アルフサイニー氏は「次期FRB議長が誰であっても、利下げに傾斜するだろう」と述べたうえで、「来年の景気はそれほど底堅くない可能性が高く、さらに緩和余地が広がる」との見方を示した。
23日時点で、トレーダーは来週のFOMCで利下げが決定する確率はほぼないと想定するが、フェデラルファンド(FF)金利に連動する先物動向によれば、9月会合での25bp利下げの確率は58%が織り込まれている。

原題:Bond Traders Step Up 2026 Fed Cut Bets After Trump Bashes Powell
(抜粋)
--取材協力:Carter Johnson.
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