(ブルームバーグ):チョコレートメーカーの米ハーシーは、記録的なカカオ価格の高騰を受け、自社の菓子製品の値上げを実施する。
「ハーシーズ」のチョコレート製品や「リーセス・ピーナツバター・カップ」を手がけるハーシーは先週、おおむね2桁台の値上げを行うと小売業者に通知したと、複数の同社幹部が22日明らかにした。
今回の値上げには、メーカー希望小売価格の引き上げに加え、袋に入っている菓子の重量や個数の調整による実質値上げも含まれる。いわゆる「シュリンクフレーション」だ。
米菓子部門のアンドルー・アーシャンボー社長は発表文で、「今回の変更は関税や貿易政策とは無関係だ」とし、「前例のないカカオ価格高騰を含む原材料コストの上昇という現実を反映している」と説明した。
同社は1年前にも値上げを発表していた。
カカオ価格はこの2年間に急騰している。コートジボワールやガーナといった、世界の供給の60%強を占める主要生産国における病害や天候不良によって供給が逼迫(ひっぱく)したためだ。
カカオ先物相場は2倍以上に跳ね上がり、昨年12月には過去最高値を記録。チョコレート業界に打撃を与えた。その後、世界的な生産回復と需要後退を背景にやや落ち着きを見せているが、それでも依然として従来の水準を上回る高止まりが続いている。
原題:Hershey Raising Prices Double Digits Due to High Cocoa Costs(抜粋)
--取材協力:Ilena Peng.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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