(ブルームバーグ):半導体メモリーメーカーのキオクシアホールディングスが初の社債をドル建てで発行する計画だ。資金調達手段の多様化が目的で、外債発行を積極化している日本企業の1社に加わる。
キオクシアはドル建てで最大30億ドル(約4420億円)の発行に向けてモルガン・スタンレーなどを主幹事に指名した。14日に投資家向け会議を実施する。非公開情報であることから、匿名を条件に事情に詳しい関係者が明らかにした。

キオクシアは2024年に東京証券取引所に上場した。広報担当の山路航太氏は「上場により直接金融へのアクセスが可能になった」と、初の社債発行に踏み切った背景を説明した。ドル建てとしたことについては「調達手段の多様化が目的」と話した。
同社の発行体格付けはS&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスで「BB+」と、投資適格に満たないジャンク級に分類される。
みずほ証券の松下直斗シニア・クレジット・アナリストは、発行歴が少なく、信用力が低い企業の場合、「国内投資家は慎重になり調達は難しい」と指摘。キオクシアについて「リスクの取れる投資家がいる海外での発行には合理性がある」との見方を示した。
7月はNTTや日産自動車も外貨建てで起債した。市場規模が大きく、投資家のリスク許容度も高い海外市場では、格付けにかかわらず多様な企業がまとまった資金を調達しやすい。ブルームバーグ指数でドル債のスプレッド(上乗せ金利)が縮小傾向にあることも発行を後押ししている。
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.