(ブルームバーグ):英国家統計局(ONS)が11日に発表した5月の英国の国内総生産(GDP)は前月比0.1%減で、4月の0.3%減に続き2カ月連続で縮小した。米国による関税や相次ぐ増税の打撃から、企業と消費者が立ち直れずにいる。
ブルームバーグがエコノミストに行った調査では、0.1%の増加が予想されていた。

もし6月のGDPが0.4%以上減少すれば、4-6月期(第2四半期)全体の成長率はマイナスに転じ、1-3月期(第1四半期)の0.7%増から大幅に悪化することになる。このところ政治的打撃にさらされているスターマー首相やリーブス財務相には、新たな逆風となる。
このデータを受けてポンドは対ドルで下げ幅を拡大し、0.3%安の1ポンド=1.3545ドルとなった。今後の利下げ観測に大きな変化はなく、市場では引き続き、イングランド銀行(英中央銀行)が来月にも追加利下げに踏み切るとの見方が優勢だ。
ドイツ銀行の英国担当チーフエコノミスト、サンジェイ・ラジャ氏は「2025年第1四半期の非常に強いGDP伸び率の『反動』がいまだに経済に影を落としている。解消されるにはしばらく時間がかかるかもしれない」と述べた。

製造業と建設業は5月、ほぼ1年ぶりの大幅な落ち込みとなった。4月に見られた18カ月ぶりの大幅な生産減少の影響が5月にも波及し、米国の関税圧力や、エネルギー料金や固定資産税など家計を直撃する一連のコスト上昇が背景にある。
スターマー政権がトランプ米政権と通商合意を結んだにもかかわらず、対米輸出は20億ポンド減少した4月からの回復が鈍く、わずか3億ポンドの反発にとどまった。
原題:UK Economy Shrinks for Second Month in Fresh Hit to Starmer (2)(抜粋)
--取材協力:David Goodman.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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