(ブルームバーグ):トランプ米大統領がベトナムからの輸入品に対して20%の関税で合意したと先週発表したことは、ベトナムの指導部にとって寝耳に水だった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。ベトナム側は関税率の引き下げを目指しているという。
非公開の交渉だとして匿名を条件に話した関係者によると、ベトナムのトー・ラム共産党書記長は2日遅くにトランプ氏と電話会談を行った直後、交渉チームに対し、引き続き関税率の引き下げに向けて取り組むよう指示した。ベトナム側はより有利な関税レンジを確保したと考えていたため、20%という数字は予想外だったという。
ベトナムは電話会談前、10-15%の関税水準を求めて交渉を進めていた。

ベトナムの国営メディアでは、今回の20%関税に関する言及はほとんどない。ブルームバーグ・ニュースが確認した地元メディア宛ての政府文書では、ベトナムと米国の間でコンセンサスがない内容や、曖昧な情報あるいは臆測に関して掲載しないよう当局が地元メディアに指示した。
ベトナム外務省にコメントを求めたが、現時点で返答はなかった。
トランプ大統領が貿易合意を発表したのは英国に次いでベトナムが2例目だった。その後、トランプ氏は8月1日から最大50%の関税を課すと通知する書簡を対象の貿易相手国に次々と出している。

トランプ氏が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でベトナムに関して投稿した翌日、ベトナム外務省は合意の詳細を詰めるため、米側となお調整していると説明していた。
それ以降、ベトナム指導部は公式コメントでこの問題への言及を避けており、ファム・ミン・チン首相は輸出先やサプライチェーンの分散を進め、新たな関税政策への適応を図る姿勢を強調した。
トランプ氏が今回の合意を発表してから1週間以上が経過したものの、ベトナムと米国はいずれも20%関税や迂回輸出と見なされる製品に課される40%関税について、具体的な内容や適用方法などをほとんど明らかにしていない。
ホワイトハウスに通常業務時間外にコメントを求めたが、すぐには回答がなかった。
原題:Vietnam Surprised by Trump Tariff Announcement, Seeks Lower Rate(抜粋)
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--取材協力:Ramsey Al-Rikabi.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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