(ブルームバーグ):来週の円相場は下落が予想される。日本と米国の関税交渉の行方が不透明で、日本銀行による利上げ期待の剝落から売り圧力がかかりやすい。米国で発表される消費者物価指数(CPI)や小売売上高が米利下げ観測の後退を通じてドル買い・円売りにつながる可能性もある。
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 予想レンジは1ドル=143-148円
- 7月は日米とも金融政策は据え置きが予想されており、9月に向けて経済指標を確認する必要がある
- 日米通商交渉は参院選があるので目立った進展は難しく、日銀利上げ期待の剝落がドル・円の押し上げ材料となる
- 参院選を控えて財政拡大の観測が強まり日本の超長期金利が上昇すると、悪い金利上昇として円安圧力となる可能性
◎東海東京インテリジェンス・ラボの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジスト
- 予想レンジは145円50銭-150円
- 4月2日は関税発表にドル売り・円買いで反応したが、今はドル買い・円売りになっている。交渉の落ち着きどころが見えれば、ドル・円は150円に向けて上昇するとみる
- 7月は季節的にポジション調整が出やすく、材料が出始めたことでドル売りポジションを落とす動きが本格化するだろう
- CPIや小売売上高は米金融政策を占う上で注目。CPIが上振れると利下げがしづらくなり、ドルが買われる材料になるだろう
来週の主な予定
- 15日:6月の米CPI
- 16日:米地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 16日:6月の米生産者物価指数(PPI)
- 17日:6月の貿易統計
- 17日:6月の米小売売上高
- 18日:6月の全国CPI
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