米電気自動車(EV)メーカーのテスラは、先月テキサス州オースティンで限定的に開始した自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスをカリフォルニア州とアリゾナ州にも展開する計画だ。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はX(旧ツイッター)への投稿で、規制当局の承認を待っているサンフランシスコ・ベイエリアでのロボタクシーサービスについて「おそらく1、2カ月以内」に開始できるとの見通しを示した。また、オースティンでのサービス提供エリアを今週末に拡大する予定だとした。

アリゾナ運輸局によると、テスラは同州でも自動運転ライドシェア事業認可に向け動いている。同社はフェニックス都市圏での営業に関心を示しており、安全ドライバーが付く形態と付かない形態の双方での申請について、今月中に判断が下される見通しだという。このアリゾナ州での動きについてはこれまで報じられていなかった。

テスラにこの件に関してコメントを求めたがすぐに返答はなかった。

テキサス州オースティンのテスラ・ロボタクシー車両

マスク氏は、テスラの自動車事業が苦戦する中、自動運転車や人工知能(AI)、ヒト型ロボットなど未来志向の事業に重点をシフトしている。

ただ、マスク氏は過去にも自動運転技術に関するスケジュールを提示してきたが、その多くが実現していない。

テスラのロボタクシー展開計画が実現すれば、ロボタクシーの試験走行を開始したアルファベット傘下ウェイモや、配車サービスを手がけるウーバー・テクノロジーズにとって脅威になり得るとアナリストは指摘する。

パイパー・サンドラーのアナリスト、アレクサンダー・ポッター氏は10日のリポートで、「この急速なロボタクシー展開は、他のロボタクシー網事業者を含む既存のシェアリングモビリティモデルに対するテスラの攻勢の始まりを意味する可能性がある」と指摘。「重大事故なしで導入が迅速に進めば進むほど、テスラ株には追い風となる」との見方を示した。

原題:Tesla Plans Robotaxi Expansion to California and Arizona (2)(抜粋)

--取材協力:Dana Hull.

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