(ブルームバーグ):米下院で3日に可決された共和党主導の大型税制・歳出法案には、米航空宇宙局(NASA)のプログラムに約100億ドル(約1兆4500億円)が充てられている。トランプ政権は有人月探査「アルテミス計画」や国際宇宙ステーション(ISS)運用を含む事業の一部削減を提案していた。
同法案は、ボーイングが製造する大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」に41億ドル、ロッキード・マーチン製のカプセル型有人宇宙船「オリオン」に2000万ドルをそれぞれ振り向ける。これらの費用はアルテミス計画の第4・第5ミッションに充てられるが、両ミッションについてトランプ大統領は5月発表の2026年度予算案で中止を提案していた。
また、今回の法案は、ISSの今後5年間の維持費として12億5000万ドルを計上。トランプ政権はISSへの有人・物資輸送ミッションの削減を主張していた。
また、火星からの土壌サンプル回収を支援する目的の火星通信衛星に7億ドルを充てる。この長期的な科学事業について、ホワイトハウスは全面的な取りやめを計画していた。
議会が今回の法案でNASAへの多額の割り当てに動いたことは、同局の主要プログラムの一部を巡り持続性を懸念している可能性を示唆している。
特にアルテミス計画は議会で強く支持されてきた。SLSとオリオンの開発が、テキサス、アラバマ、ミシシッピ、フロリダといった共和党が支配する州で数万人規模の雇用を支えていることも一因だ。また、複数の議員は、現在のアルテミス計画の枠組みが、中国より先に月面着陸を果たし、米国の国家安全保障上の利益を守る最も迅速な手段だと主張している。
原題:GOP Tax Package Gives NASA Billions After Trump Proposed Cuts(抜粋)
--取材協力:Loren Grush.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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