(ブルームバーグ):米グーグルは、検索結果が表示される画面上に料理レシピのスナップショットを直接掲載する新機能「レシピ・クイックビュー」の試験運用を終了した。自身のサイトへのアクセス減少を懸念していた料理ブロガーなどは歓迎しそうだ。
グーグルはここ数カ月、この機能を試験運用していた。ユーザーがウェブサイトをクリックする前にレシピに興味があるか判断できるようにした機能だったが、ブロガーからはサイトへのクリック数に比例する広告収入が奪われると懸念の声が上がっていた。
グーグルは1日に試験運用の終了を確認。広報担当者は発表文で「われわれは検索によって役に立つ情報にたどり着きやすくするための実験を絶えず行っている。実験から得られた知見は今後の機能開発に生かされる」と説明した。
サイトへのアクセス数でグーグルなどのテック企業に依存しているクリエーターの間では生成人工知能(AI)の普及で大打撃を受けたとの声が上がっていて、AI開発に自身のコンテンツが活用される際の規制強化を求めている。
クリエーター支援を手がける米メディア企業ラプティブの推計では、仮にレシピ・クイックビューの機能が実装されていれば、料理ブログへのアクセス数は半減する恐れがあった。
テクノロジー分野の政策コンサルティングを手がけるプロテウス・ストラテジーズの共同創業者デレク・スレーター氏は「『検索用ならいいが、AI学習に使用するのはだめだ』とウェブサイトが意思表示するためのルール作りに向けた議論はまだ道半ばだ。技術的にも市場的にもまだ決着がついていない」と指摘する。
こうした中、サイバーセキュリティー企業のクラウドフレアは1日、AIがコンテンツにアクセスした場合、そのクリエーターが料金を請求できるプログラムを発表するなど新たな動きも出ている。
原題:Google Ends Recipe Pilot That Left Creators Fearing Traffic Drop(抜粋)
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